未払い賃金の支払いなどを会社に要求する場合、内容証明郵便を使います。この内容証明郵便の使い方は、一度覚えれば簡単ですが、初めての人には、なかなか厄介なシロモノです。ここで、簡単に内容証明の書き方、送り方、未払い賃金請求の文例などを紹介します。
 
■内容証明郵便とは何?
 内容証明とは、同じ内容の書面を3通作成し、そのうち1通は受取人、もう1通を発信人、残り1通が郵便局保管となるもので、その内容と日付について郵便局が証明してくれると言う制度です。未払い賃金の請求書を労働者が会社に送った場合、内容証明であれば、会社が「そんなの知らないよ」とトボケる訳には行きません。また、郵便局など公的機関が第三者として証明するわけで、会社に都合のよいように金額を改ざんしたりすることも出来ません。普通の手紙より、少々値段が張りますが、未払い賃金をなかなか払わないというような不届きな経営者と渡り合っていくためには、不可欠な手段でしょう。ただ内容証明は、内容と日付を郵便局が証明するというだけで、それ以上のものではありません。むしろその後、訴訟や交渉になった場合、内容証明でもって請求しているということが、どうしも必要になります。
 
■内容証明郵便の種類
 内容証明郵便には、通常の内容証明と電子内容証明サービス(e内容証明)があります。後者は、インターネットで24時間受付、郵便局に行かなくとも、内容証明がだせるというもので大変便利ですが、支払い方法がクレジットカードか料金後納で後納の場合は近くの後納特例承認支店まで出掛けて行かねばならず、ちょっと面倒くさいところもあります。また専用ソフトのダウンロード、インストールなどしなければならず、そのへんが不得手な人には向きません。裁判を行っている人や今後しょっちゅう内容証明を出すことが見込まれる人にとても便利ですが、後にも先にも一度きりだろうと思われる人は、通常の内容証明がいいかもしれません。ここでは、通常の方法を紹介し、電子内容証明を利用したい方は、日本郵便のホームページを参照してもらうことにします。しかし、文例などは基本的に同じですから、以下も参照してください。
 電子内容証明サービス(e内容証明)by日本郵便URL
 http://enaiyo.post.japanpost.jp/mpt/
 
■内容証明の書き方
 内容証明の書式は、独特の決まりがあり、初めての方は少々面食らうものです。しかし、これらの要件を満たさないと郵便局は受け付けませんから、仕方ありませんね。以下の要件を守ってください。
@字数・・<縦書きの場合>1行20字以内、1枚26行以内 
     <横書きの場合>1行20字以内、1枚26行以内、または1行13字以内、1枚40行以内、あるいは1行26字、1枚20行以内のいずれか。
注意:「、」「。」も1字と勘定されるので、ワープロの場合はあらかじめページ設定などで19字×26行などとしておいた方が便利です
 
A使える文字・・ひらがな、カタカナ、漢字、数字、英字(固有名詞に限る。英文はだめ)、記号は使えないものもあるのでなるたけ使わないようにしましょう。
 
B枚数・・複数ページの場合は、ホッチキスで綴じて頁と頁の間にハンコを押します(契印)。まったく同じ文面のものを3通作ります。少しでも文面が違えば郵便局は受け付けません。コピーか、ワープロの場合は、同じものを3枚プリントアウトします。
 
C相手と自分の住所・氏名、日付・・文章の最初でも最後でもかまわないので、受取人住所氏名、差出人住所氏名にハンコ押印、日付を記入してください。
 
D郵便局で・・封筒を用意し封印しないで内容証明の文書とともに郵便局にもって行きます。肝心なこと、封筒に書く住所氏名と内容証明の文面にある住所・氏名とがまったく同じでなければなりません。郵便局では、3通が同文であるか、上に書いてあるような決まりが守られているか、などを確認し、「内容証明郵便であることを証明する」という郵便局長名の証明と日付印を押印します。3通の内1通を封筒に入れ封印します。他の1通は郵便局で保管、残り1通はあなたに渡されます。
 
E配達証明・・郵便局で差し出す際には「配達証明でお願いします」と言いましょう。配達証明にすると何年何月何日に配達されたという配達証明書が送られてきます。確実に相手の手に渡っていることを証明するもので必ず付けましょう。
 
F訂正・・3通とも訂正のある箇所に二重線を引き、その隣に正しい文字を書く、その行の上や右に「何字削除、何字加入と書いて押印します。これが何とも面倒くさいので訂正の内容にご注意を。

G料金・・もっともシンプルなパターン・・書面1枚(定型25g以下)で配達証明付きの場合
内容証明420円 書留料金420円 郵便料金(定型25g以下)80円 
配達証明300円 合計1220円
 
注意:以上は内容証明郵便を作成する上で必要最低の内容を書いたものです。これより詳細については、日本郵便ホームページなどでご確認ください。

参考 平均賃金算出シート




<参考文例T・・未払い賃金の請求>

 
              2009年○月○日
神奈川県横浜市**区**町○-○-○
株式会社***工業
(請求先住所氏名)
代表取締役社長 ○○**殿
神奈川県川崎市○○区○○町*−*−*
 
(請求者住所氏名印鑑)   ■■△△ 印
未払い賃金請求書
私は、2007年○月*日より今日まで貴社
社員として働いてきました。2009年○月*
日〜2009年○月△日の間**時間の時
間外労働を行ったにもかかわらず該当する
時間の賃金及び時間外割増賃金がが支払
われておりません。○月△日に本来支払わ
れるべき賃金の不足分として******
円を請求いたします。本書面を受取ってから
1週間以内に指定銀行口座にお振込みくだ
さい。



<参考文例U・・解雇予告手当請求書>

               2009年○月○日
神奈川県横浜市**区**町○-○-○
株式会社***工業
(請求先住所氏名)
代表取締役社長 ○○**殿
神奈川県川崎市○○区○○町*−*−*
 
(請求者住所氏名印鑑)   ■■△△ 印

解雇予告手当請求書
私は、2009年○月×日、貴社より200
9年◆月■日付での解雇を言い渡されました
。しかし、貴社は労働基準法第20条で規定
された解雇予告手当を払わないとしています
。私は、貴社に対し解雇予告手当として下記
の金額を請求します。本書面を受け取ってか
ら1週間以内に指定銀行口座にお振込みくだ
さい。
       記
解雇予告手当(2009年◇月○日から20
09年×月△日までの25日分)
金額******円
以上